本当に効く食とサプリ ~ナチュラルメディシン・データベース姉妹本

2016/12/10  書籍 知る・学ぶ

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私は、テレビや雑誌に登場する健康食品のCMを見ると ついつい買ってしまいたくなるタチですが、「体に良いと思ってお金と時間をかけたのに、効果のほどはさっぱり」ということも間々あります。

今回レビューをお届けする「本当に効く食とサプリ」(以下、「本書」)は、以前レビューした書籍「ナチュラルメディシン・データベース」の姉妹本で、毎日口にする食べ物やサプリを自分の生活に取り入れる前に 信頼できる情報を一読しておくことの大切さを教えてくれるような一冊です。ひいては自分の体とお財布を自己防衛するのにも役立つかもしれません。

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特徴

企業側にも消費者側にも偏らない姿勢で作成され続け、医師や薬剤師向けの科学的エビデンスとして提供されている「ナチュラルメディシン・データベース」の中から、私たち一般消費者にとって身近な食材や成分をピックアップし、ダイエット・美肌・アンチエイジング動脈硬化・高血圧、がん予防、便秘、記憶や認知機能、ストレスケアなど健康食品に関心のある一般消費者向けのトピックスとともに読みやすく編成されています。

小B6判(112×174)ぐらいのサイズ。書籍版ナチュラルメディシン・データベースとの比較。

内容は3部構成

内容は3部構成で、第一章はナチュラルメディシン(※本書では健康食品をナチュラルメディシンと呼んでいます)に対する考え方のコラムと症状別ナチュラルメディシンの選び方、第二章は主な食品、健康食品、成分55項目の解説と有効性レベルについて取り扱い、巻末付録として健康食品と医薬品の飲み合わせ一覧を収録しています。

なお巻末の飲み合わせに関しては、第二章で取り上げられているナチュラルメディシンだけでなく、健康食品・サプリメント等の栄養成分400種類弱(←手で数えた)に対して 一緒に摂ると危険な医薬品813種(←Amazon商品説明より)が掲載されています。

症状別ナチュラルメディシンの選び方の内訳

第二章で解説されているナチュラルメディシンの一覧

他のサプリ本とはココが違う

一般消費者向けに出版されている栄養成分やサプリメントについての書籍は現在数多く出版されていますし、私もこういった書籍を数冊持っていますが、「食品やサプリのどの成分が体のどこに どのように作用するか」については 詳しく記述されていても、それらの記述が共通の指標で評価された科学的な根拠を基になされているのか明記されているものは殆どありませんでした。

いくつかの書籍では「最新の研究・論文によれば・・」などと書かれていて、巻末に参考文献などが記載されていましたが、私のような一般消費者が論文や文献の信ぴょう性を確認するのは とても困難です。

つまるところ、これまで私の手にした一般消費者向けサプリ本の場合、読者が掲載されている情報の精度について著者や監修者を信用することを前提としているわけです(もちろん情報が正しくないというわけではありません)。

本書が既存の一般消費者向けサプリ本と異なるのは、前述の「ナチュラルメディシン・データベース」でのシステマティック・レビュー(Wikipedia )を基に、有効性レベルを「効き目レベル」として4つに分類し、企業側にも消費者側にも偏らない中立的な情報を得ることが出来る点です。

ちなみに「ナチュラルメディシン・データベース」は 厚生労働省医薬食品局食品安全部発行の冊子『健康食品の正しい利用法』の中で、「信頼できる健康食品情報源(公的機関等)」として紹介されています。

例えば「コーヒー」についてはこんな感じで書かれています。

表:本書と「ナチュラルメディシン・データベース」における有効性レベル表記の違い
本書
3段階+1
ナチュラルメディシン・データベース
6段階+1
A.効きます。おそらく効きます①.効きます
②.おそらく効きます
B.効果の可能性が科学的に示唆されています③.効くと断言できませんが、効能の可能性が科学的に示唆されています。
C.効かない可能性が高いです。④.効かないかもしれません
⑤.おそらく効きません
⑥.効きません
より根拠を要するレベル
現段階で結論付けることはできません。より多くの研究が必要です。
科学的なデータが不十分です。
参考:「ナチュラルメディシン・データベース」における有効性を判断するためのエビデンスレベルの根拠(書籍版:「ナチュラルメディシン・データベース2006」より抜粋)
有効性レベルエビデンスのレベル
①.効きます各国の政府機関による審査と同水準の厳格な科学的検証を通過し、特定の効能において大衆薬、オーファンドラッグ(稀用薬)、医薬品と同等の有効性が認められるもの。
②.おそらく効きます評価の高いレファレンスが、数百から数千の患者において実施された2つ以上のランダム化比較試験から、適切な臨床試験の意義を評価するための評価項目(エンドポイント)において肯定的結果が出ているもので、概ね特定の効能において有効としているもの。
③.効くと断言できませんが、効能の可能性が科学的に示唆されています。評価の高いレファレンスが1つもしくは2つの臨床試験において、特定の効能で有効性が認められ、適切な臨床試験の意義を評価するための評価項目(エンドポイント)において、肯定的結果が得られたもの。
④.効かないかもしれません評価の高いレファレンス特定の効能の有効性が認められず、適切な臨床試験の評価項目(エンドポイント)において、1つのヒト試験で否定的な結果が得られたもの。
⑤.おそらく効きません評価の高いレファレンスが、概ね特定の効能において無効としている。それは、2つ以上のランダム化比較試験が数百から数千の患者において実施され、適切な臨床試験の意義を評価するための評価項目(エンドポイント)において否定的な結果が出ているもの。
⑥.効きません最も評価の高いレファレンスが特定の効能において有効でないと概ね意見の一致が見られるもの。または、複数の質の高い研究が否定的結果を出しているもの。信頼性の高いヒト試験から、その結果を覆すデータが得られていないもの。

手ごろだけど、人によって物足りない可能性も

健康食品等の栄養成分が1,000種類以上も収録されている「ナチュラルメディシン・データベース」に比べて収録されている食品・栄養成分は60弱と少なく、やや物足りない感がありますが、ドラッグストアで見かけるサプリの成分や、しばしばメディアで「にイイ食材」として取り上げらるようなものがカバーされているので、それらの効き目が現時点(※出版時点)でどの程度評価されているのか、中立的な情報を手軽に確認するには 価格的にもサイズ的にも手ごろです。

また、書籍版「ナチュラルメディシン・データベース」は完全に辞典(リファレンス)であるのに対して、こちらは「読み物仕立て」なので、入門者が基礎知識を得るには とても読みやすくお勧めです。ただし、文部科学省から出ている食品標準成分表にあるような基本的な栄養成分(ビタミン とか)について解説しているわけではないので、そういった情報については別の書籍等で補う必要があります。

健康によいとされる伝統的な食材やサプリ、健康食品が、自分のカラダにどう影響し、どんな薬と飲み合わせると危険なのか。 刺激的なキャッチフレーズや、客観性のない広告表現に惑わされず自分で考え、賢く選ぶための一冊。

世界標準である「ナチュラルメディシン」の科学的根拠をもとに自分あった安全な食生活を始めるための最新の食データとアドバイスを満載。

個人的な要望:スマホアプリ版が出ないかな?

ところで「ナチュラルメディシン・データベース」には書籍版の他にWeb版があり、こちらは高度な検索機能や常に最新の情報を入手できるのですが、完全に専門家向けのサービスなので書籍版以上にコストがかかります。「本当に効く食とサプリ」の編纂コンセプト&価格(要は一般消費者向け)で、単なる電子書籍ではなく 検索機能や最新のスーパーフードに対応する更新機能を持たせたスマホアプリがあったらとても便利だと思いました。

うまく説明できないのですが、例えばこんな感じのやつです。

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